ファンコミュニティサイトの成功事例7選!ポイントと成果のまとめ
ファン同士が交流するサイトを、ファンコミュニティサイトといいます。ファンコミュニティサイトの成功事例には、The LEGO Groupの「LEGO IDEAS」や森永製菓株式会社の「エンゼルPLUS」などが挙げられます。ファンコミュニティサイトのユーザーが増え、交流が活発になれば、企業と顧客はもちろん顧客同士のつながりも強化できるでしょう。長く愛されるブランド作りにもつながります。企業のファン育成を総合的に支援する株式会社ファン・マーケティングが、ファンコミュニティサイトの成功事例について詳しく解説します。
- ファンコミュニティサイトとは何か知りたい方
- ファンコミュニティサイトをマーケティングに取り入れたい企業様
- 自社の課題解決に役立つファンコミュニティサイトの事例を知りたい企業様
ファンコミュニティサイトの成功事例7選
ブランドや商品・サービスのファンが集まるファンコミュニティサイトには、交流によって「企業と顧客」「顧客と顧客」双方の関係を深めるメリットがあります。ファンコミュニティサイトの成功事例を7つ紹介します。
企業名 | ファンコミュニティサイト | ポイント |
|---|---|---|
The LEGO Group | LEGO IDEAS | 顧客のアイデアをサイトで集め商品化 |
株式会社アテニア | Attenirファンコミュニティ | UGCが醸成されやすいコンテンツの企画 |
Aakamai | Akamai コミュニティ | ユーザー同士で問題解決をするシステムの構築 |
ベースフード株式会社 | BASE FOOD Labo | 顧客が意見を発信しやすいコンセプト・サイトの設計 |
森永製菓株式会社 | エンゼルPLUS | ブランド・商品に愛着が湧くサイト設計・企画の実施 |
コクヨ株式会社 | meeket! | ユーザー同士の交流により自分に合った勉強ツールを見つけられるアプリの提供 |
株式会社カインズ | CAINZ DIY Square | DIYを楽しむ人をサポートするコンテンツの提供 |
1つずつ見ていきましょう。
The LEGO Group|LEGO IDEAS
ファンコミュニティサイトの有名な成功事例に、ブロックの玩具として有名なThe LEGO Groupが提供する「LEGO IDEAS」があります。LEGOグループはもともと建築、発明などの創造力を大切する企業(ブランド)ですが、そのフィロソフィをファンコミュニティサイトを通じて具現化しています。

ファンコミュニティサイト名 | LEGO IDEAS |
|---|---|
内容 | LEGO IDEASに寄せられたアイデアを商品化する企画の実施 |
ポイント | ブランドのファンの性質を活かしたサイトの戦略設計 |
成果 | ・顧客エンゲージメントの強化 ・ファンによる商品開発のスキーム化 |
LEGO IDEASの運用はUGC(ユーザーが作るコンテンツ)で成り立っているといっても過言ではなく、ファンによるLEGOのアイデア投稿がメインのトピックです。投稿されたLEGOセットのアイデアで、ユーザーからの人気が高かったものは商品化されます。
つまりLEGO IDEASでは、顧客エンゲージメントや顧客ロイヤリティを向上させるだけでなく、ファンコミュニティサイトを通じてファンが主体的に新商品の企画を進めるスキームが確立されているともいえるでしょう。ファンコミュニティサイトは商品開発やブランディングに役立てるためのUGCの醸成を目的に作られることが多いですが、LEGO IDEASはこれらを同時にまかなうことができた成功事例といえます。
株式会社アテニア|Attenirファンコミュニティ
株式会社アテニアは、化粧品や健康食品・サプリメント、アパレルグッズの製造・販売を行う女性向けブランドです。株式会社アテニアも、「Attenirファンコミュニティ」というファンコミュニティサイトを運営し、メインターゲットである女性顧客の声に耳を傾けることに注力しています。

ファンコミュニティサイト名 | Attenirファンコミュニティ |
|---|---|
内容 | 「キレイ」についての話題や商品に関する意見を交換する場の提供 |
ポイント | ユーザーの声が集まりやすいコンテンツ企画の展開 |
成果 | ・寄せられた意見を取り入れ商品を改善・開発 ・低迷期から脱却 |
「Attenirファンコミュニティ」では“キレイ”についてユーザー同士がとことん話せる場を設け、意見・情報交換を活発に行える環境が整備されているのが特徴です。「アテニアの“隠れた名品”モノ語り」や、アテニア商品のレビューが読めるサークルなどのコンテンツを企画し、商品に関するファンのリアルな声が集まりやすいサイト設計になっています。サイト内の投稿数は2025年3月末時点で41万件にも上りました。
過去に同社は低迷期に陥った際、ファンコミュニティの意見を活用し脱却しています。株式会社アテニアは、自社のファンコミュニティサイト内でUGCを発信してもらい、ファンの声を商品の改善・開発に活かすサイクルを回すことで低迷期脱却の糸口をつかみました。リアルな声が集まりやすいファンコミュニティサイトのメリットを活かした成功事例といえるでしょう。
Aakamai|Akamai コミュニティ
Akamaiコミュニティは、クラウドコンピューティングやWebサイトのセキュリティ、サービスなどを提供するAakamaiによるファンコミュニティサイトの成功事例です。

ファンコミュニティサイト名 | Akamai コミュニティ |
|---|---|
内容 | ユーザー同士で問題解決ができる仕組み |
ポイント | ユーザー同士のつながりとサービスへの愛着を強化するシステム |
成果 | ・迅速な問題解決を実現 ・サポートセンターの手間やコストを軽減 |
Aakamai提供のファンコミュニティサイト「Akamai コミュニティ」では、ユーザーはAakamaiのナレッジライブラリを閲覧できるほか、ユーザー同士でサービスに関する問題解決をしあうことができます。サービスを利用しているユーザーがコミュニティサイト上で質問をすると、その質問に対して詳しい別のユーザーが回答してくれる仕組みです。
ファンコミュニティサイトをユーザー同士の助け合いの場とすることで、迅速な問題解決と、サポートセンター側の手間やコストの軽減を可能にしました。Aakamaiは専門性の高いサービスを提供しています。快適な利用スピードとサービスの質を維持するためにも、共にサービスを利用するユーザー同士で問題解決を行う場が設けられていることは、非常に合理的といえるでしょう。
ユーザー同士のつながりを強化すると同時に、サービスに対するユーザーたちの愛着も深めることができるファンコミュニティサイトの形になっています。
ベースフード株式会社|BASE FOOD Labo
完全栄養食の「BASE FOOD®」を提供する食料品メーカーであるベースフード株式会社。ユーザー同士はもちろん、ベースフード社員とユーザーも交流できるファンコミュニティサイト「BASE FOOD Labo」を提供しています。

ファンコミュニティサイト名 | BASE FOOD Labo |
|---|---|
内容 | 顧客との価値共創を目的に、ベースフードに関する最新情報の発信や、ユーザーによる食の投稿を行う |
ポイント | 顧客を仲間と位置づけた価値共創戦略 |
成果 | ・交流による関係構築 ・商品・サービスの改善 ・価値共創 |
「BASE FOOD Labo」はユーザーの投稿中心で成り立っているファンコミュニティサイトです。ベースフードに対する意見・要望や、ダイエットの頑張りなどを気軽に投稿できます。ポイントプログラムも導入しており、ベースフード商品を購入・食べるだけでなく、ファンコミュニティサイトへのログイン自体が楽しくなるようなシステムが特徴です。
「BASE FOOD Labo」では、ユーザーを「Labo研究員」と位置づけ、一緒に未来を共創していくというコンセプトのもとファンコミュニティサイトの運営を行っています。顧客の声が集まりやすくなるサイト作りを行い、商品の改善・開発に活かすことに注力しています。
ユーザー同士で頑張りを共有し健康に対するモチベーションが保てることに加え、共にブランドを作っているという一体感を顧客に持ってもらえることが、ベースフード株式会社のファンコミュニティサイトの成功要因だといえるでしょう。
森永製菓株式会社|エンゼルPLUS
日本の有名なお菓子メーカーである森永製菓株式会社が提供する「エンゼルPLUS」も、顧客が交流を楽しみ、お菓子に関する情報を得られるファンコミュニティサイトです。

ファンコミュニティサイト名 | エンゼルPLUS |
|---|---|
内容 | 森永製菓のお菓子に関する耳寄りな情報の発信、ユーザーが食べたお菓子の投稿や投票を行ったり、クイズに参加したりできる |
ポイント | 顧客の声が集まりやすいサイト構築・愛着を高める企画の実施 |
成果 | ・森永製菓のお菓子ファンとの関係構築 ・顧客ロイヤリティの向上 ・会員数87万人超(2024年12月時点) |
「エンゼルPLUS」でも、ポイントプログラムを導入しています。XやInstagramのようなSNS感覚で使用できるのが特徴です。ファンの率直な声が集まりやすくなり、ファン同士で自分たちの好きなお菓子や魅力を発信し交流を深められるほか、企業側も商品の改善・開発に役立てることが可能です。
現在「エンゼルPLUS」では87万人以上の会員数を確保しており、会員は一般顧客と比較して2.6倍のお菓子を購買しているといいます。商品自体に根強いファンがいることに加え、ファンコミュニティサイトをはじめとするファンマーケティング施策を実施し、既存顧客の維持に成功した例です。
コクヨ株式会社|meeket!
次は、大手文具メーカーのコクヨ株式会社のファンコミュニティサイトを紹介します。

ファンコミュニティサイト名 | meeket! |
|---|---|
内容 | 自分にぴったりな勉強ツールを探せる口コミアプリ |
ポイント | 勉強へのモチベーション向上・商品への愛着創出 |
成果 | ・コクヨの勉強ツールの販売促進 ・ユーザー同士の交流の活性化 |
勉強を頑張る中高生に向けてコクヨが提供しているのが、ファンコミュニティサイト「meeket!」。コクヨの勉強ツールの口コミが投稿・閲覧でき、自分の性格やこだわりにぴったりな商品を見つけられます。「meeket!」の口コミを見て商品を購入することは「meeket!買い」と呼ばれ、ユーザー同士の交流を経て商品を見つける行動そのものに愛着が湧くようになっているのが特徴です。
ほかのユーザーをフォローしたり、困っていることを聞いたりできる機能も備わっているため、勉強のモチベーションを維持するのにも役立ちます。文具を作って売るだけではなく、勉強を頑張る学生に寄り添える形をコクヨが模索した結果に生まれたファンコミュニティサイトといえるでしょう。
また、コクヨはユーザーとの共創活動にも力を入れており、「meeket!」のリリース記念には、アプリ開発をサポートした中高生の声を取り入れたオリジナル商品も開発しました。コクヨのツールで勉強を頑張りたいという顧客ロイヤリティを向上させるファンコミュニティサイトになっています。
株式会社カインズ|CAINZ DIY Square
最後に、大手小売企業でありホームセンターを展開している株式会社カインズのファンコミュニティサイトを紹介します。

ファンコミュニティサイト名 | CAINZ DIY Square |
|---|---|
内容 | ユーザー同士の交流の場と、自身のDIY活動を楽しくする機能の提供 |
ポイント | オフラインとオンライン双方からDIY活動をサポートする戦略 |
成果 | ・2024年11月時点で会員数4万人を達成 ・交流が活発になり購入額も増加 |
DIYをする人々の交流の場として作られたのが、株式会社カインズの「CAINZ DIY Square」です。作品のシェアでは1万件以上の投稿が集まり、トークの場では数百件のコメントが寄せられるなど、交流が日々活発に行われています。
カインズでは、顧客とのつながりを作りカインズのことを知ってもらうことで、カインズのファンを増やしていこうという考えのもと、「DIYer100万人プロジェクト」を始動しました。店舗やワークショップなどの対面でのコミュニケーションを大切にすることはもちろん、オンラインコミュニティで情報発信、交流の場を設けて、いつでもどこでもDIYを楽しめるような工夫を行っています。
ファンコミュニティサイトを企画・運営する際に重要なのは、とりあえずサイトを作ることではなく、サイトを通してどのように企業とユーザーのつながりを強めていくかを考えることです。カインズの活発なファンコミュニティサイトは、まさに企業とユーザー、そしてユーザー同士のコミュニケーションに重点をおいたコンテンツだといえるでしょう。
ファンコミュニティサイトの成功事例に共通しているポイント
ファンコミュニティサイトをファン化のきっかけとして上手に取り入れている企業事例には、成功につながる共通点があります。目先の結果を追いかけるのではなく、時間をかけて顧客とよりよいブランドを作っていくことに目を向けている点です。具体的には、以下の2点です。
- サイトでの交流を活性化させることにゴールを置いている
- ファンの声を大事にしている
順番に見ていきましょう。
サイトでの交流を活性化させることにゴールを置いている
ファンコミュニティサイトの成功事例に共通しているポイントの1つは、サイトでの交流を活性化させることにゴールを置いていることです。ファンコミュニティサイトを作るだけならば、簡単な作りであればそれほど難しくありません。しかし、ファンコミュニティサイトを立ち上げた後、運営し、ユーザーに繰り返し訪問・発信してもらえるようなコミュニティを作り上げるのは難しいものです。
定期的にユーザー全体を巻き込んだ企画を実施したり、関心を引くコンテンツを配信したりするなど、顧客にブランドのことを考えてもらう時間を増やす工夫をしましょう。
株式会ファン・マーケティングであれば、動画コンテンツやマンガコンテンツなど複数の要素をかけ合わせつつ、ユーザーの訪問を繰り返し促せるようサポートします。企画から運営、リリース後の改善まで一貫してサポートが可能です。ぜひご相談ください。
ファンの声を大事にしている
ファンの声を取り入れて大事にしている点も、ファンコミュニティサイトの成功事例に共通しているポイントです。ファンコミュニティサイトの大きなメリットの1つとして、ユーザーのリアルな声を収集できるというものがあります。ファンの声は、商品・サービスの長所短所を把握し改善するために、これ以上ない貴重なデータです。蓄積し、よりよい商品の開発へと役立てましょう。
ファンが一方通行で意見を発信しているのではなく、自分たちの声が企業に届いているという実感を持ってもらうことが、ファンコミュニティサイトを成功させるために重要です。

ファンコミュニティサイトの自社事例|大和ハウス工業株式会社様
株式会社ファン・マーケティングが扱った、ファンコミュニティサイトの自社事例を紹介します。
弊社では、大和ハウス工業株式会社様のオーナー様専用サイト「ダイワファミリークラブ」の機能の1つであるファンコミュニティについて、企画からコンサルティングまでを長きに渡りご支援してきました。住まいや暮らしに関する情報を発信、やり取りすることで、顧客満足度向上とファン化を促進する狙いがあります。

自社事例:https://f-marketing.jp/works/10/
コミュニティサイト以外のファンコミュニティの事例は?
サイトに限らないファンの交流の場全般を指す「ファンコミュニティ」も、ファンマーケティングの有効な施策の1つです。ファンコミュニティの成功事例を2つ紹介します。
- スノーピーク
- COHINA
1つずつ見ていきましょう。
株式会社スノーピーク
アウトドア関連のメーカーであるスノーピークは、従業員がまだ少数であった1998年から28年に渡り、ユーザーとスノーピーク、そしてユーザー同士がリアルで交流する「Snow Peak Way」を開催しています。ユーザーとスノーピークがキャンパーとしてつながり、共に野遊びを楽しむことで関係性を深めることが目的です。
また、スノーピークはファンコミュニティサイト「Snow Peak Community」も運営しています。イベントやキャンプで出会った野遊び仲間とのつながりを記録、交流できるコンテンツであり、オフライン・オンライン双方で交流を深められる施策を打っています。

COHINA
株式会社newnが展開する小柄な女性に向けたファッションブランド「COHINA」。COHINAはInstagramを活用し、洋服を作る過程をライブで配信しています。ライブ中に寄せられた顧客のリアルな声を集め、ニーズ分析や商品開発に役立てています。小柄な女性をターゲットにした絞られた市場のなかで、身近なツールを活用しファッションブランドとしての地位を確立しました。

ファンコミュニティサイトの企画・運営のご相談は株式会社ファン・マーケティングへ!
ファンコミュニティサイトは、顧客と企業、顧客同士の関係を深めるのに有効です。株式会社ファン・マーケティングでは、ファンコミュニティサイトの企画・運営をご支援します。ただ運営するだけでなく、ユーザーが繰り返し訪れ、発信してくれるようなファンコミュニティサイト作りを意識しています。
また、サイトに限らず、ファンミーティングのようなリアルイベントの企画運営サポートも可能です。ファンを作りたい企業様は、ぜひ一度ファンコミュニティサイトについて弊社にお問い合わせください。