【ファンから始まる広告戦略】顧客インサイトの抽出方法と活用術|ウェビナーレポート
 
 「ファンマーケティング=既存顧客へのアプローチ方法」と考えている企業様もいるのではないでしょうか?しかし、実際にはファンの声を広告に活かすことで、より顧客に刺さる広告作りができるようになり、新規顧客獲得を効率的に行うことが可能です。 株式会社ファン・マーケティングでは、Web広告に強みを持つKURO HOLDINGS株式会社様とともに、オンラインセミナー『ファンから始まる広告戦略~アンケートから読み取る、顧客インサイト活用術~』を2025年8月21日に開催いたしました。今回は、その内容を踏まえて、顧客インサイトの抽出方法と活用術について詳しく解説します。
- Webマーケティングのご担当者様
- ファンマーケティングに取り組みたい企業様
- 新しい広告施策に取り組みたい企業様
- これまでの広告施策が頭打ちになっている企業様
登壇者の紹介
ファンマーケティングというと既存顧客へのアプローチと捉えられがちですが、ファンの声を広告に活かし、新規獲得効率を高めることも可能です。そこで今回は、Web広告に強みを持つKURO HOLDINGS株式会社様をお招きし、「ファンから始まる広告戦略」について解説します。
| 登壇者 | プロフィール | 
|---|---|
|  | 株式会社ファン・マーケティング 慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、楽天を経てファン・マーケティングに入社。大手企業の新規事業案件に多く携わり、マーケティング戦略から具体施策の設計、実行まで一気通貫で担当。2024年からは自社マーケティング部門を立ち上げ、オウンドメディア、広告、ウェビナー施策を統括。 | 
|  | KURO HOLDINGS株式会社 大学卒業後、事業会社にてWebメディア責任者を務め、SEO、SNS、広告運用、フロントエンド開発、コンテンツライティングなど、デジタルマーケティングの実務を幅広く習得。その後、KURO HOLDINGS株式会社の創業メンバーとして、企業のマーケティング支援を推進。戦略設計から実行、収益化までを一貫して担い、ビジネス成果へと導く総合力を強みにしている。 | 
ファンマーケティングが注目されている理由
石田(株式会社ファン・マーケティング)
ファンマーケティングが注目されるようになった背景には、人口減少による新規顧客獲得の難化と、SNSの発達による口コミの影響が挙げられます。人口が減ることによって全体の母数が減る分、新規顧客の獲得は困難になっていきます。そのため、既存顧客の離反防止に注力する企業が増え、企業のファンを育成するファンマーケティングが注目されるようになったのです。また、SNSが発達し、顧客の口コミの影響力が拡大したことによって、ポジティブな発信をしてくれるファンをいかに増やせるかが大切になってきています。

ファンマーケティングの流れ
石田(株式会社ファン・マーケティング)
近年注目度が高まっているファンマーケティングですが、「ファンマーケティング=ロイヤル顧客に向けたマーケティング施策」であると思っている企業様もいるのではないでしょうか?ファンマーケティングの捉え方や考え方は企業によってさまざまですが、株式会社ファン・マーケティングでは、ファンマーケティングを以下のような大枠として捉えています。
- ブランドの価値を創造する
- 出会いをつくり、感動させファンになる体験を届ける
- ファンの熱量を高め、ファンがファンを呼ぶ連鎖を作る

ブランドの価値を定義し、出会いを作ってファンになる体験設計をし、ファンがファンを呼ぶ連鎖を作るといった一連の流れは、全て「ファンの声」を起点に考えられます。「ファンになったきっかけ」や「感動した瞬間」といったファンの声が、さらなるファンを獲得するための大きなヒントになるのです。

ファンへの調査からインサイトを抽出する方法「デプスインタビュー」
石田(株式会社ファン・マーケティング)
ファンの声の集め方はSNS投稿やコミュニティ、アンケート調査などさまざまです。今回は、そのなかの1つである、デプスインタビューについて紹介します。
デプスインタビューの成功事例「クックパッド株式会社」
株式会社ファン・マーケティングはクックパッド株式会社様の新規サービスの支援において、デプスインタビューで得たファンの声をマーケティング活動に活用し、利用希望者を8倍まで増加させることに成功しました。クックパッド株式会社様が新規サービスとして立ち上げたサービスは、新しいコンセプトということもあり、その魅力が伝わりにくく、新規の獲得が難航していました。そこで、新規サービスをリピートして使い続けてくださっている1人に、じっくりデプスインタビューを行ったのです。インタビューをもとに分析を行うと、自分たちが想定していたものとは異なる訴求ポイントや利用シーンが見えてきました。こうして抽出したインサイトを広告やLPに反映させることで、新規顧客の獲得につながったのです。

株式会社ファン・マーケティングでは、企業様の課題に合わせて、最適な解決方法をご提案いたします。ファンマーケティングについて、お困りの企業様はお気軽にお問い合わせください。
デプスインタビューの質問内容
デプスインタビューを行う際は、利用前後について「客観的事案」「感情」「思考」の3つの要素について深ぼっていくことが大切です。そして、利用前後でシーンにギャップがあれば、訴求観点を見直しましょう。たとえば、利用前に関しての質問では、「どんな状況(シーン)で購入を検討したのか」を聞き、利用後についての質問では「どんな状況(シーン)で使ったか?」と聞くことで、利用前後のギャップを見ることができます。ここで利用前後でギャップが生じている場合には、訴求ポイントを見直す必要があります。
加えて、顧客の感動したポイントについて質問することも重要です。顧客が実際に感動したポイントが、利用前に伝わっていなければ、広告やLPといったクリエイティブを見直す必要があるでしょう。また、利用前に考えていたことと、利用した後の考えにギャップがあれば、それも顧客に伝わっていないということになります。そういった場合も、より顧客に伝わるようなクリエイティブに改善する必要があります。

デプスインタビューのポイント
デプスインタビューを行う際のポイントは、相手の話によって深ぼるポイントを変えることと、ターゲットに合わせた話し方・聞き方を行うことの2つです。相手に応じてリアルタイムで深ぼるポイントを変えていけることが、デプスインタビューの一番の強みです。そのため、事前に質問は用意しつつも、その質問を機械的に聞いていくのではなく、相手の反応や回答に応じてその場で質問内容を変えていく臨機応援な対応が必要になるでしょう。
また、相手に合わせた話し方や聞き方でインタビューを行うことも、デプスインタビューにおいて欠かせないポイントです。たとえば、大学生の方にインタビューを行う場合と、主婦の方にインタビューを行う場合とでは、話し方や聞き方が大きく異なります。相手に合わせた話し方や聞き方は、話しを聞きだすうえで重要なポイントです。

デプスインタビューでどれだけファンの声を引き出せるかは、聞き手の腕による部分が大きくなっています。そのため、デプスインタビューを行う際はプロに外注するのがおすすめです。株式会社ファン・マーケティングでは、企業様の顧客に合わせたインタビュー方法で、顧客の声を引き出します。「デプスインタビューを行いたいけど、うまく話しを引き出せるか不安」という企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
ファンへの調査からインサイトを抽出する方法「アンケート」
佃様(KURO HOLDINGS株式会社)
インサイトを抽出する方法として、ここではアンケートについて紹介します。デプスインタビューが1人を深ぼるのに対して、アンケートは定量的に数を取る手法です。
アンケート調査の流れ
アンケート調査を行うためには、まず調査の目的を設計するところから始めましょう。目的を設計した後に、実際にアンケートを設計・実施し、分析や課題の言語化を行い、戦略や施策に落とし込みます。アンケート調査は、企業の業種や業態に合わせて適した方法が異なるため、自社にあった方法で行うことが大切です。たとえば、ニッチなサービスを提供している企業では、アンケート回答数の母数を確保できない場合があります。そうした場合、どのようにアンケートを活用していくのかを、アンケート設計の際にしっかりと考えておく必要があるのです。

アンケートを行う際のポイント
アンケートを行う際のポイントは、聞き方と読み解き方です。デプスインタビューと異なり、直接対象者と会話できないため、質問の作り方が重要です。顧客の声を引き出すためには、答えを限定させない聞き方をするようにしましょう。一見同じ文章に見えても、聞き方が少し違うだけで受け取り方が大きく変わってしまうこともあります。

返ってきたアンケート結果をどう読み解くかも大事なポイントです。基本的に、アンケート結果は予想通りの回答が返ってくることがほとんどです。そうした回答のなかから、外れ値を探したいのか、一般的な認識合わせをしたいのかといった読み解き方を、欲しい情報に合わせて検討する必要があります。
また、アンケート結果をもとに今と未来のギャップや共通点を見つけることで、マーケティング戦略に活かすこともできます。たとえば、「インテリアを購入する際に後押しされるポイント」(今)と、「インテリアに期待すること」(未来)の回答を比べた際に、機能や利便性よりもお部屋のなかでの調和が共通点として浮かびあがりました。そこでアンケートの結果をもとに、空間作りの提案やTipsをコンテンツ化したところ、高いエンゲージメント率を獲得することに成功したのです。

ファンの声の活用方法
石田(株式会社ファン・マーケティング)
ここでは、デプスインタビューやアンケートで集めたファンの声の活用方法について紹介します。ファンの声は、顧客理解を深めたり、施策を考えたり、クリエイティブに活かしたり、その活用方法はさまざまです。今回はなかでも広告に焦点をあてて、ファンの声を広告に活かす方法について詳しく解説します。
広告活用の流れ
佃様(KURO HOLDINGS株式会社)
ファンの声を広告運用に活用するには、まずは顧客理解を深めるところから始めましょう。既存の顧客データや広告データから、ファンが何を求めているのかといった定量的な分析と、アンケート調査を掛け合わせて顧客理解を深めていくことが大切です。
そのうえで、顧客をさまざまな方法で分類していきます。単に年齢で区切るのではなく、顧客の趣味嗜好や特性を踏まえて分類しましょう。そして最後に、誰にどこで何を届けるかを顧客ごとに設計します。目的を明確に持つことが、結果的に成果につながりやすくなるのです。
9セグマップを活用した顧客の分類方法
9セグマップとは、顧客を「購買頻度」と「ブランド選好」という2つの軸で分類し、それぞれの顧客層に最適なマーケティング戦略を設計するためのフレームワークです。具体的には、以下の9つに分類されます。
| 顧客の分類 | 購買頻度 | ブランドへの愛着 | 施策 | 
|---|---|---|---|
| 1. 積極/現在利用者/ロイヤル | 高い | 高い | ・優待プログラム | 
| 2.消極/現在利用者/ロイヤル | 高い | 低い | ・ブランドの情報発信 | 
| 3.積極/現在利用者/一般 | 平均的 | 高い | ・ポイントプログラム | 
| 4.消極/現在利用者/一般 | 平均的 | 平均的 | ・ニーズに合った情報提供 | 
| 5. 積極/離反者 | 最近購入なし | 高い | ・アンケート調査・分析 | 
| 6. 消極/離反者 | 最近購入なし | 低い | ・ターゲット広告 | 
| 7. 積極/認知・未利用者 | 購買経験はないが、意欲は高い | ブランドを認知している | ・割引キャンペーン | 
| 8.消極/認知・未利用者 | 購買経験はなく、意欲も低い | ブランドを認知している | ・商品サービスの魅力を伝えるコンテンツ | 
| 9.未認知者 | 購買経験もなく、意欲もない | ブランドを認知していない | ・Instagram、TikTokなどの媒体を通してブランドを知ってもらう | 
こうした分類に応じて、それぞれの顧客に適した施策を行うことが大切です。たとえば、1番の購買頻度もブランドの愛着も高い顧客に対しては、企業にとって最も大切にしたい顧客であるため特別な優待プログラムを実施したり、限定イベントに招待したりといった施策が考えられます。また、ブランドに対しての愛着は低いけれど購買頻度は高いユーザーに対しては、ブランドの魅力や価値をどう認識させるかが鍵となります。

9セグマップの活用事例
9セグマップを活用し、セグメントごとにターゲットを設計して広告を配信することで、より効果的に訴求した事例を紹介します。まず、9セグマップを活用し、対象となるユーザーのセグメント分けを行いました。定量データだけでは、ブランドへの愛着度合いは測れないため、アンケートの結果を掛け合わせることが重要です。さらに、購入頻度や単価、会員登録の有無、SNSなど、さまざまな要素を含めて9つに分類しています。

そして、セグメントごとに広告配信のクリエイティブやターゲティングを設計します。たとえば、ブランドへの愛着が高い顧客に対して「優遇」「先行者利益」「自分だけが知っている」体験を設計しています。さらに、決め手にかける顧客に対して、わかりやすく「割引」「セール」で訴求を行い、購入を促しています。

その結果、新商品の訴求につながり、CPAの改善につながったのです。

ファン育成のことなら株式会社ファン・マーケティングへ!
石田(株式会社ファン・マーケティング)
ファンマーケティングはロイヤル顧客に向けた施策だけではありません。ファンの声をマーケティング戦略やクリエイティブの制作に活かすことで、新規顧客の獲得にも有効な施策です。しかし、ファンの声をどれだけ集められるかは、インタビューの質問設計や聞き手の腕に左右される部分が多くあります。そのため、不安な方はプロに任せるのがおすすめです。株式会社ファン・マーケティングでは、これまで培ってきた経験を活かし、企業様の顧客に合わせたインタビュー方法でファンの隠れたインサイトを引き出します。「一度やってみたけれどうまくいかなくて、もう一度やるのは不安」という企業様も、ぜひご相談ください。
また、株式会社ファン・マーケティングは、アンケート調査だけでなく、コンサルティングからクリエイティブ制作・運用まで、総合的なファンマーケティング支援を提供しています。ファンマーケティングについてお困りの企業様はお気軽にお問い合わせください。
 
  
 