【ファンマーケティング×SNS】SNSでのファン増加・育成方法|ウェビナーレポート

人口減少によって、新規顧客の獲得は難しくなってきています。そのため、商品やサービスに深い愛着を持つ「ファン」を増やし、中長期的に売上を伸ばすことのできる「ファンマーケティング」に注目が集まっています。なかでも、近年利用者が増加しているSNSを活用したファンマーケティングは、顧客との接点を増やし、ファンを作るための有効な施策といえるでしょう。 株式会社ファン・マーケティングでは、SNSマーケ支援に強みを持つ株式会社CREAVE様とともに、ファンマーケティングの最前線を解説するオンラインセミナー『売上に繋げる!SNSでのファン増加・育成方法〜UGC数11倍・商品使用継続意向100%の成功事例を深ぼる〜』を2025年6月24日に開催いたしました。今回は、セミナーレポートとして、SNSを活用したファンマーケティングについて詳しく解説します。
- Webマーケティングのご担当者様
- ファンマーケティングに取り組みたい企業様
- SNSでのファン育成に関心がある方
- SNSでのエンゲージメント向上に関心がある方
- SNS施策に課題を感じている方
登壇者の紹介
最近「ファンマーケティング」への注目が高まっています。とはいえ「何から考えればいいの?どんなことをすればいいの?」と、実践に行き詰っている企業様が多い印象です。そこでファン育成のプロである株式会社ファン・マーケティングが、SNSマーケ支援に強みを持つ株式会社CREAVE様とともに、SNSにフォーカスし、ファンづくりの方法をご紹介します。いかにしてSNS上でファンを熱狂させ、その熱を広げてきたのか、具体的なノウハウを成功事例を交えて深ぼります。
登壇者 | プロフィール |
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![]() | 株式会社ファン・マーケティング 慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、楽天を経てファン・マーケティングに入社。大手企業の新規事業案件に多く携わり、マーケティング戦略から具体施策の設計、実行まで一気通貫で担当。2024年からは自社マーケティング部門を立ち上げ、オウンドメディア、広告、ウェビナー施策を統括。 |
![]() | 株式会社CREAVE 株式会社CREAVEへ入社後(旧 スナップマート株式会社)、35万人のクリエイターを抱えるSnapmartプラットフォームのクリエイター獲得・育成施策や、ストックフォト事業を統括。現在は、営業運用セクションにてセールスマーケ部門にてマーケティング推進。 |
ファンマーケティングが注目されている理由
近年、注目度の高まってきているファンマーケティングですが、その背景には人口の減少とSNSの発達があります。
厚生労働省の発表したデータによると、日本の人口は2020年には1億2,615万人いるものの、2070年には8,700万人にまで減少してしまうことが示されています。※1 全体の母数が減少してしまうと、新規顧客を今まで通り獲得することが難しくなってしまいます。そういった背景から、「既存顧客のLTVをどのように高めていくか」「離反せずに買い続けてもらうためにはどうすればいいか」と考えていくなかで、ファンマーケティングに注目する企業様が増えています。
また、SNSの発達によって口コミの影響力が拡大したことも要因の1つです。SNSが普及したことによって、UGC(ユーザー生成コンテンツ)やVOC(顧客の声)が購入の決め手に影響を与えるようになりました。そのため、企業にとってポジティブな発信をしてくれるファンの存在が注目されるようになっています。

ファンの存在は企業にとって、「安定した売り上げ基盤の構築」や「UGC・VOCによるプロモーション効果」、「顧客視点によるサービスの改善」といったメリットをもたらしてくれる不可欠な存在です。しかし、実際にファンを獲得するために、何をすればいいのかわからないという企業様は多いのではないでしょうか?株式会社ファン・マーケティングではファン育成のための戦略設計からクリエイティブ制作、施策の運用まで、総合的なファンマーケティング支援を提供しています。お気軽にご相談ください。
SNS×ファンマーケティング
ファンマーケティングには、事業形態やターゲットに応じて、さまざまな方法があります。今回はSNSを活用したファンマーケティングについて紹介します。
SNSにおけるファンとは?
SNSにおけるファンとは、ブランドのアカウントをフォローする、投稿にリアクションをする、自らブランドに関する投稿をするユーザーのことであると、株式会社CREAVEでは定義しています。

SNS×ファンマーケティングの重要性
SNSにおけるファンマーケティングが注目されるようになったのは、ユーザーが購入の際にSNSを活用するようになったことと、企業公式アカウントの影響力が低下していることが原因であると考えられています。
株式会社uluコンサルタンツの調査によると、商品を購入する際に約7割以上の人がSNSで情報収集を行っていることが分かっています。※2 多くの人がSNSを活用する理由は、企業公式アカウントの発信だけでなく、実際の利用者やインフルエンサーといった第三者のリアルな意見を得られる点にあります。さらに、SNSは写真や動画といったビジュアル情報を中心に発信されるため、商品の具体的な使用イメージを直感的に把握しやすいことも、消費者がSNSを選ぶ大きな理由の一つです。

また、SNSの発達によって、第三者による発信の影響力が一層高まり、それに伴いブランド公式アカウントの影響力は相対的に低下しています。実際、アジャイルメディア・ネットワーク株式会社の調査では、商品・サービスを購入を検討する際に最も影響を受けるのは、「たまたま検索で見つけたSNS投稿」であることが示されています。つまり、今や消費者の購買行動を左右するのは、企業の一方的な発信ではなく、ユーザーによる口コミや体験談といった第三者からのリアルな情報なのです。こうした状況下で、ポジティブな情報を発信してくれる企業のファンを増やす「ファンマーケティング」の重要性がますます高まっています。

SNS×ファンマーケティングのステップ
実際にファンマーケティングをSNSで実施するには、どのように進めればよいのか悩まれている企業様も多いのではないでしょうか?SNSにおけるファンマーケティングのステップは、「接点を持つ」「継続的にコミュニケーションを取る」「ファン化」の3つに分けられます。ここではそれぞれのステップについて、株式会社CREAVEの事例を交えて解説します。
- 接点を持つ
- 継続的なコミュニケーション
- ファン化
接点を持つ
企業のファンを増やすためには、まずは企業や商品・サービスに興味をもってもらうことが大切です。このときの1つの指標として、SNSアカウントをフォローしてもらうことを目標に施策を検討しましょう。企業の公式アカウントをフォローしてもらうためには、まずは基盤となる公式アカウントを整備し、魅力的かつ一貫性のある情報発信を行うことが欠かせません。そのうえで、インフルエンサーマーケティングやキャンペーンを実施することにより、より多くのユーザーにリーチし、フォローを促すことが可能になります。

成功事例
株式会社CREAVEは株式会社伊藤園の新商品発売にあわせて「SNS×ファンマーケティング」を実施し、フォロワー転換率3.2倍、UGC数11倍という成果を達成しました。
成功の背景には、まずターゲットに合わせた世界観やデザインを整える戦略設計を行い、投稿で使用する写真や要件を具体化することで、フォローにつながる基盤を築いた点があります。株式会社CREAVEでは、支援開始前に戦略設計を行い、アカウントの世界観や色味・デザインを、企業のターゲットに合わせて設計しております。その後、設計した戦略に沿って、投稿に用いる写真や具体的な要件を決定しているのです。
そのうえで、公式アカウントの発信とアンバサダーによるUGC投稿を組み合わせ、さらにキャンペーンやクリエイター投稿などでタッチポイントを増加させることで、ユーザーの共感と参加を促し、ファン化を実現したのです。
継続的なコミュニケーション
ユーザーとの接点を作った後は、ファン化につなげるための継続的なコミュニケーションが不可欠です。具体的には、参加型のストーリー投稿やユーザーの悩みに沿ったコンテンツを制作をするといった施策が考えられます。
成功事例
株式会社CREAVEでは、オーガニック投稿を行う際に、ユーザーをいくつかの層に分けてそれぞれに届きやすいコンテンツを企画しております。株式会社伊藤園の事例では、顕在層と潜在層に分けて投稿を実施しました。
ターゲット層 | 投稿内容 |
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顕在層 | 商品をより深く知ってもらうような投稿 (開発秘話、アレンジレシピなど) |
潜在層 | 商品に興味をもってもらうような投稿 (商品紹介、さまざまなライフスタイルの人の商品の楽しみ方など) |
さらに、ストーリー、コメントにてユーザーと積極的にコミュニケーションをとったり、フォロワーからの声を活かした投稿を作成したり、アンバサダーの声を活かした投稿を制作したりと、ユーザーをファン化させるコミュニケーションを企画・実施しました。その結果、ユーザーとのコミュニケーションによってエンゲージメント率の向上を達成したのです。
ファン化
商品を購入してもらった先で、ユーザーにファンで居続けてもらうためには、ファン化のための施策も重要になります。具体的には、SNSキャンペーンの実施やファンコミュニティの導入が考えられます。SNSキャンペーンとは、実際に商品を購入してもらい、「感想を投稿することによってプレゼントが当たる」というようなプレゼントキャンペーンを実施することで、さらなるUGC創出を促進する施策のことです。実際に、株式会社CREAVEでSNSキャンペーンを実施したところ、一般UGC数が11倍になったというデータがあります。
また、顧客との関係性をさらに深めるために、ファンコミュニティの導入を株式会社CREAVEでは推奨しています。ファンコミュニティを活用することで、顧客との関係をさらに深めることができ、ファン化の促進につながるのです。

SNS×ファンマーケティングでおすすめの媒体
SNSにおけるファンマーケティングでおすすめの媒体はインスタグラムです。インスタグラムがSNS×ファンマーケティングにおすすめなのは、インスタグラムには「エンゲージメント指標が重視されるランキングロジック」「Instagram推奨スキームとファンマーケティングの親和性」「配信面の充実」がそろっているためだといわれています。
- エンゲージメント指標が重視されるランキングロジック
- Instagram推奨スキームとファンマーケティングの親和性
- 配信面の充実性
インスタグラムのランキングロジックでは、エンゲージメント指標が最も重視されています。具体的には、視聴時間やいいね数、シェア数などが挙げられます。これらの指標は、SNSにおけるファンを定義する指標と被る部分が多いため、SNS×ファンマーケティングに向いているといえるでしょう。
また、インスタグラムでは、企業とユーザー、そしてクリエイターが互いに協力し合い、共に新しい価値を創り出すマーケティング手法を推奨しています。この点においても、企業とユーザーの双方向のコミュニケーションを通じてファンを増やす「ファンマーケティング」と近しい部分があるのです。
さらに、インスタグラムには、ストーリー・フィード・リール・ライブ発信・DM(一斉配信チャンネル)など複数の配信方法が存在しています。そのため、認知からファン化までの複数接点を構築しやすいというメリットもあります。

【SNS×ファンマーケティング】深い接点を作るには?
エンゲージメントの高い接点を作るには、ファンがファン予備軍を呼ぶような設計づくりが重要です。具体的には、シェアや保存、さらなるUGCを生むようなエンゲージメントの高い投稿をどれだけ作れるかが成功の鍵であるといわれています。
ユーザーはSNSで情報収集し、第三者の発信に影響を受け、商品・サービスを購入しています。そのため、UGCをSNS上に蓄積することが重要になっているのです。
成功事例
株式会社CREAVEでは、SNS運用に加えて、アンバサダー施策を実施することで、より深い接点を作ることに成功しています。アンバサダー施策とは、商品、サービスの撮影、発信をしてくれるアンバサダーを募集し、SNS投稿、UGC投稿をしてもらうことを指します。アンバサダーは、自分の興味関心でPR案件に応募するため、商品に対しての熱量が高く、生活者目線での情報発信が得意です。実際に、アレンジレシピや商品の具体的な活用事例など、アンバサダーからの等身大の情報発信が実現し、より深い接点作りに成功しました。
理想とするUGCを収集するためのチェックポイント
PRやキャンペーンを行うにしても、「誰に発信してもらうか」によって得られる結果が大きく変わってきます。理想とするUGCを収集するために、以下のチェックポイントを確認しながらクリエイターを選ぶようにしましょう。
理想とするUGCを収集するためのチェックポイント | 内容 |
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属性 | クリエーター属性が商品のターゲットとあっているか フォロワーの属性が商品のターゲットとあっているか |
フォロワーとの親密度 | フォロワーと普段からコミュニケーションをとっているか |
熱量 | その商品に興味関心があるか |

【SNS×ファンマーケティング】顧客との関係性をさらに深めるには?
商品を購入してもらった後、顧客との関係性をさらに深めるにはファンコミュニティの導入がおすすめです。株式会社CREAVEではファンコミュニティの導入を推奨しています。
ファンコミュニティを活用してファン化を促進する
ファンコミュニティとは商品についてユーザー同士や企業とユーザーが交流する場・集まりのことを指します。ファンコミュニティを導入するメリットは、「ブランドロイヤリティの強化」「口コミによるマーケティング効果」「ユーザーインサイトの収集」の3つです。
- ブランドロイヤルティの強化
- 口コミ(UGC)によるマーケティング効果
- ユーザーインサイトの収集
ファンコミュニティを導入することで、ファン同士、企業とファンが継続的にコミュニケーションが取れるようになり、深くブランドを理解して長期的なファンになるユーザーの増加が見込まれるでしょう。さらに、深くブランドを理解した熱量のあるファンによる口コミが広まることによって、効果的に新規顧客拡大や認知拡大ができます。また、ファンコミュニティを通して実際のユーザーとコミュニケーションが取れるようになることで、ユーザーのリアルな声を聞けるというメリットもあります。

ファンの声を活用してさらなる売上につなげる
ファンを増やした後、さらなる売上につなげるにはファンのインサイトを収集し、新たなマーケティング施策へ役立てることが大切です。SNSにおけるインサイトの収集方法は以下の通りです。
- インスタグラムのアンケート機能
- エンゲージメントの高いファンの属性を把握
- 自社商品のファンの発信内容の把握
- 個別インタビューの実施(ソーシャルリスニング)
収集したインサイトや、ファンの声を起点にコンテンツを企画することで、ユーザーのニーズに合った企画が行えるようになり、さらなる売上の拡大につながるでしょう。
ファンを育成するためには全体の戦略設計が重要
これまでSNSにおけるファンマーケティングについて詳しく解説してきましたが、企業のファンを育成するためにはSNSにとどまらない全体の戦略設計も重要です。さまざまなマーケティング施策があるなかで、出会いから購入までをカスタマージャーニーで整理し、それぞれの施策の役割や目的を明確にすることが大切です。以下では、さらなるファン獲得のためにチェックすべきポイントの一例を紹介します。
チェックすべきポイント | 検討できる施策 |
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検索した際に自社サイトやメディアが上位にでてきますか? | ・SEO対策 |
周辺KWを検索した際に、自社サイトやメディアが上位にでてきますか? | ・コンテンツSEO |
ChatGPTにおすすめを聞いたときに、自社が紹介されますか? | ・コンテンツマーケ全般 |
LPや公式サイトは魅力が伝わっていますか?使いやすいですか? | ・LPO |
既存顧客に継続的にアプローチできていますか? | ・メール・LINE等 |
このように、SNSに留まらずに、総合的に施策を行っていくことで売上、ファン化につながるのです。
ファンマーケティングの全体像
株式会社ファン・マーケティングでは、ファンマーケティングの全体像を以下のように考えています。
- ブランドの価値を創造する
- ファンになる体験を届ける
- ファンがファンを呼ぶ連鎖を作る
ブランドの価値を創造する
ファンマーケティングを行ううえで、まずブランドの価値を正しく理解することが1つ目のステップになります。企業側が発信するコンセプトと、ユーザーが認識しているブランドのイメージや価値は必ずしも一致するわけではありません。そのため、ユーザーに刺さっているポイントがどこなのかを明確にすることが、ファンマーケティングの第一歩となるのです。企業・ブランドの「らしさ」や「存在意義」「価値」を掘り下げ、ファンが共感し応援したくなる核を明確にすることが重要になります。

ファンになる体験を届ける
次に、出会いをつくり、感動させ、ファンになる体験を届けます。カスタマージャーニーを活用し、ユーザーがブランドと出会い、関心を持ち、ファン化するまでのプロセスを設計します。そのうえで、「最も感動が生まれる習慣=ブランド固有の勝負所」に注目し、体験価値を設計します。
ファンがファンを呼ぶ連鎖を作る
最後に、ファンの熱量を高め、ファンがほかのファンを呼び、ブランドの共感が連鎖する仕組みを設計します。こうした一連の流れを設計したうえで、各施策の最適化をしていくことが大切です。

ファンマーケティングのことなら株式会社ファン・マーケティングへ
近年、ファンマーケティングに取り組む企業が増え続けているため、先手を打っていくことが大切です。しかし、実際に何から始めればよいかわからないという企業様も多いのではないでしょうか?
ファンマーケティングを成功させるためには、商品やブランドと出会ってからファンになってもらうまでの全体の戦略設計を行ったうえで、施策を実施していくことが重要です。そもそも、ブランドの価値とは何かを再定義することも必要です。ファン育成のプロである株式会社ファン・マーケティングでは、企業様のブランド価値の定義から戦略設計、施策の実施まで総合的なファンマーケティング支援を提供しています。ファンマーケティングについてお困りの企業様は、ぜひ一度株式会社ファン・マーケティングにご相談ください。
登壇企業:株式会社CREAVE
CREAVE(クリーブ)は、『温度ある繋がりを感じられる世界へ』をミッションに掲げるSNSマーケティング・クリエイティブ支援のプロフェッショナル集団です。SNSマーケティング・クリエイティブ制作領域にて、戦略〜実行まで一気通貫でご支援が可能です。35万人*のクリエイターと共創した”本質的なSNSマーケティング支援”を行います。累計支援企業社数300社超。コスメ・食品・インテリア・家電等のtoC商材を持つ企業様を中心に幅広く支援実績がございます。
※1:厚生労働省「将来推計人口(令和5年推計)概要」, 厚生労働省, 2023年5月8日(最終閲覧日:2025年10月14日)
※2:株式会社uluコンサルタンツ「【SNSがライフスタイルに与える影響】7割が商品購入の情報収集にSNSを活用すると回答、最も購買に影響を与える媒体はInstagram」, PR Times, 2024年2月27日(最終閲覧日:2025年10月14日)