ファンマーケティングとは?意味やメリット、注意点などを分かりやすく紹介
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ファンマーケティングの手法は、アイドルやスポーツチームが自身のファンを獲得していくイメージを持つと分かりやすくなるでしょう。この記事では、「企業のファンを育成する」というミッションを掲げる株式会社ファン・マーケティングが、ファンマーケティングのメリットや注意点、成功させるためのポイントを分かりやすく解説します。
ファンマーケティングとは?
ファンマーケティングとは、商品やサービスに深い愛着を持つ「ファン」を増やし、中長期的に売り上げを伸ばしていくマーケティング手法のことです。具体的な手法としては、以下のようなものが挙げられます。これらの手法を組み合わせることで、さらなるファンの獲得や愛着度の強化が期待できます。
- ユーザーコミュニティ
- ファンミーティング
- ロイヤリティープログラム
- 診断コンテンツ
- メルマガ配信
- ライブ配信
- 会員制サービス
ファンマーケティングが近年注目されているのはなぜ?
近年、ファンマーケティングが注目度を高めている背景には、次のような時代の変化、ニーズの変化といった背景が挙げられます。それぞれ詳しくご説明します。
- 新規顧客獲得の難化
- SNSの発達による口コミの影響力の拡大
- 情報過多の現代社会
- ユーザーニーズの変化
新規顧客獲得の難化
類似した商品やサービスがあふれ、成熟しきった市場や業界では、新規顧客を獲得しにくいため、既存顧客に焦点を当てるファンマーケティングが注目を集める傾向にあります。ほかの企業の商品やサービスとは価格以外で差別化を図ることが難しくなり、新規顧客獲得のためにコスト競争に巻き込まれ疲弊している企業も多いでしょう。また、少子高齢化によって人口が減少し、国内の需要が減っていくことで、今後ますます新規顧客獲得が難しくなるともいわれています。
さらに、コストの面からいっても、新規顧客を獲得することは厳しくなっています。新規顧客の獲得コストは「1:5の法則」として提唱されており、「既存顧客にリピートしてもらう場合と比べて5倍ものコストがかかる」といわれているのです。よって、資金力やリソースの面で大手企業よりも不利な状況にある中小企業では、新規顧客獲得へのハードルはより高いといえるでしょう。そのため、ファンマーケティングによって既存顧客と中長期的な関係を築くことの重要性が増しているのです。
SNSの発達による口コミの影響力の拡大
ファンマーケティングが重要視される背景には、SNSの発達による口コミの影響力の拡大が挙げられます。近年、SNSを通して誰もが口コミを発信しやすくなり、口コミ数が増えました。GMOのWEB集客ラボの調査によると、口コミの内容を実際に体感した経験がある人は過半数で、口コミへの信頼度の高さがうかがえます。さらに、企業や商品、サービスのファンとなった人はそのよさを自ら発信してくれる傾向にあるため、SNSなどで口コミの影響力を利用したいと考える企業が増えているのです。
情報過多の現代社会
情報があふれているなか、従来のように不特定多数の人をターゲットに宣伝を行うことは、非効率的かつ効果が薄れてきたことも背景として挙げられます。また、情報が届いたとしてもほかの情報に埋もれてしまい、あまり記憶に残らない場合も多いでしょう。
そのため、商品やサービスに関する情報をより確実に届けられるよう、口コミを利用して発信手段を増やしたり、企業と顧客の双方向で情報交換をしたりする機会を設けたいと考える企業が増えているのです。たとえば、口コミを促進させるためのユーザーコミュニテイや、ファンとの交流を増やすイベント開催は情報過多のなかでもより効果的な発信手段となるといえるでしょう。
ユーザーニーズの変化
自分の好みに合ったものを、長く大切に使いたいというユーザーが増えてきたことも、ファンマーケティングが重要視されるようになった理由の1つです。その背景には、環境問題が深刻になったことで、これまでの大量生産・大量消費といったライフスタイルに、疑問や抵抗感を抱く人が多くなってきたことが挙げられます。
令和4年に公表された、消費者庁によるエシカル消費(社会的課題に配慮した消費活動)に関する調査では、エシカル消費につながる行動をした人は63.0%という結果が出ており、特に若年層は環境への意識が高いとされています。そのようなユーザーに対して、1つの商品やサービスを中長期的に愛着を持ってもらえるようにするファンマーケティングは、現在の潮流に合っているといえるでしょう。
また、SNSの発達によって多様な価値観が発信されることで、企業側の発信のみにとらわれず、自分が好きなものを自分の価値観で買うようになったこともユーザー行動の変化として挙げられます。これまでの「有名だから」「みんな使っているから」といった理由だけでなく、自分を軸とした価値観で消費を行う人も増えているのです。
ファンマーケティングとファンベースの関係性
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ファンマーケティングと似た言葉に、「ファンベース」という言葉もあります。「ファンベース」(佐藤尚之著/筑摩書房/2018年)によると、ファンベースとは、ファンを大切にして中長期的に売り上げや価値を上げていく考え方のことです。ファンベースは企業への愛着度の高さでターゲットを分け、ファン層に焦点を当てていることが特徴であるといえます。
一方、ファンマーケティングは、冒頭でご説明した通り、「商品やサービスに深い愛着を持つファンを増やし、中長期的に売り上げを伸ばしていくマーケティング手法」のことです。ファンベースもファンマーケティングも、ファンを中心にするということは共通しており、ファンベースは考え方、ファンマーケティングは手法であると整理すると分かりやすいでしょう。
株式会社ファン・マーケティングでは、ファンマーケティングを得意としています。ファン育成を体現し中長期的な利益につなげるために、最新トレンドやニーズの変化をとらえつつ、企画から実行、その後の運営までを徹底しています。
ファンマーケティングのメリット
ファンを作って、その層に焦点を当てマーケティングを行うことには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?ファンマーケティングを行う以下3つのメリットについて解説します。
- LTV(顧客生涯価値)の向上
- 広告宣伝費を抑えられる
- 質のよい商品開発が可能
LTV(顧客生涯価値)の向上
LTVとは、ある1人の顧客が商品やサービスの利用を開始してから、その人生で最後に利用し終えるまでの間で得られる利益のことです。ファンとなった顧客は、継続的に商品やサービスを購入してくれたり、購入単価が高くなったりする傾向にあり、LTVの向上が見込めます。全体の顧客のうち、ファンと呼ばれる存在の上位2割が、売り上げの8割に貢献する傾向があるという「パレートの法則」も広く知られており、ファンの存在は安定的な売り上げのために重要視されています。
広告宣伝費を抑えられる
口コミに代表されるような、ファンが新たなファンを呼び込むサイクルができあがると、広告宣伝費を抑えつつ新規顧客を獲得しやすくなります。ファンはそのよさを自発的に発信してくれる傾向にあり、GMOのWEB集客ラボの調査によると、商品やサービスの質が期待以上である場合のように、ポジティブな場面で口コミを書く人が半数を超えています。そして特にオンライン上で買い物をする人のなかには値段といった情報だけでなく、口コミを参考にする人も多いため、口コミの波及効果は高いといえるでしょう。
たとえば、スターバックスではテレビCMを放映しなくても、顧客の体験によってブランドイメージができあがっています。居心地のよい快適な空間と優れた接客によってほかのカフェにはない価値を提供し、それらに満足した人々、ファン層が口コミを通して自身のよい体験を拡散する傾向にあるのです。
質のよい商品開発が可能
ファンマーケティングにより、口コミやコミュニティサイトなどを通してファンの意見を取り入れることで、企業側にはなかったような、より客観的な視点が得られることがあります。また、ファンからの良質なフィードバックを反映することで、よりニーズや需要に合うように商品やサービスを改善したり、新たに作り出したりしている企業も多くあります。
ファンマーケティングの注意点
以上のように、ファンマーケティングには大きなメリットがあり近年注目されていますが、ファンマーケティングを実践するうえでは、以下のような注意点もあります。
- ファン育成には一定の時間が必要
- 閉鎖的なファン層が生じるケースもある
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ファン育成には一定の時間が必要
ファン育成は一朝一夕にできるものではないことから、長期的な視点を持って戦略を立てることが重要です。短い期間で結果を求めアプローチの方法を変更したり、中断したりすると、ファンは増えるどころか離れてしまい、かえって時間とコストを費やすことになる恐れがあります。また、ファンを少しでも増やそうとユーザーに何回も宣伝を行ったり、その内容を誇張し過ぎたりしてしまうと、逆によくない印象を与えることになりかねません。このような事態を防ぐためにも、ファンマーケティングに特化した会社に相談し、長期的な目線を持って取り組むとよいでしょう。
閉鎖的なファン層が生じるケースもある
獲得したファンの育成ばかりに注力すると、ファン層が閉鎖的になってしまい、新規顧客がそのコミュニティに入りづらくなってしまう恐れがあります。近年、「にわかファン」という言葉が誕生し、昔からのファンである顧客のなかには、にわかファンに対してネガティブな感情を抱く人もなかにはいるのです。
そのため、ファンマーケティングを成功させるには、既存のファンと新規のファン両方に対して効果的なアプローチをすることが重要となります。株式会社ファン・マーケティングでは、戦略の策定からその後の運用まで一貫して行うため、双方のファンに適したサービスをご提案することも可能です。ぜひお気軽にご相談してみてはいかがでしょうか。
ファンマーケティングはこんな企業におすすめ
ファンを増やし中長期的な売り上げ達成を目的とするファンマーケティングは、どのビジネスにおいても実践する価値があるように思えますが、特にどのような企業に適しているのでしょうか?ファンマーケティングに取り組むと高い効果を期待できる企業の特徴を3つ紹介します。
- 競合他社が多い
- 世界観や理念が明確な企業
- トレンドの変化が目まぐるしい業界
競合他社が多い
ものやサービス、情報が飽和しており、価格競争の厳しさに悩んでいる企業はファンマーケティングに取り組む意義は大いにあるといえるでしょう。一定のファン層を獲得することで、数ある製品やサービスから自社の製品を選んでもらえる可能性が高まります。さらに、ファンを育成することで、リピート率の向上や、競合他社への流入防止効果も期待できるのです。そのため、競合他社に負けない強固な顧客基盤を作り上げたいという思いをお持ちの方は、ファンマーケティングに挑戦してみてはいかがでしょうか?
世界観や理念が明確な企業
世界観や理念が明確だと、共感してくれる人が集まりやすいことから、ファンマーケティングに取り組みやすい企業であるといえるでしょう。共感を集めれば、SNSで拡散されることもあり、高い宣伝効果も見込めます。また、企業の行動や理念に対する共感が、次第にリスペクトへと変わり、熱烈なファンとなる場合もあります。
トレンドの変化が目まぐるしい業界
ファンマーケティングの施策の1つとして、ファンコミュニティをはじめとしたファンの意見を発信できる場を活用すれば、トレンドによって目まぐるしく変化するユーザーニーズを効率的に収集しやすくなります。ユーザーからのフィードバックを得て改善する機会を増やし、PDCAサイクルを回す速度を上げれば、急速な変化にも対応しやすくなるでしょう。
ファンマーケティングを成功させるポイント
それでは、実際にファンマーケティングを行うとなった際に、成功させるためには具体的にどのようなことを意識すればよいのでしょうか?以下に挙げる項目がおろそかになると、失敗しやすくなってしまうので注意しましょう。
- ファンの定義を決める
- ファンとのコミュニケーションを強化する
- 質的成果を重視する
- プロの企業と連携する
ファンの定義を決める
ファンの定義は企業ごとに異なるため、自社がどのようなファンを育成したいのか、あらかじめ具体的に決めておきましょう。たとえば、定量データと定性データを用いて、それぞれどの程度であればファンと見なすか規準を作り、定義する方法があります。
定量データであれば、購買データやNPSが挙げられます。NPSとは、商品やサービスのおすすめ度を0~10の段階に分けて数値化したものです。NPSの点数が高いユーザーは、ポジティブな口コミを広めてくれる傾向にあります。
定性データは、数値化できないようなテキストデータのようなものを指し、アンケートの回答内容や、口コミの内容によって評価します。
ファンとのコミュニケーションを強化する
ブランド力や品質の向上だけでなく、ユーザーと企業の双方でコミュニケーションを取る機会を設け、顧客と信頼を構築していくことが大切です。たとえば、ファン層限定の特別イベントを開催するといったように、ファンを大切にしている姿勢を見せることで、さらにユーザーの愛着度を高められるでしょう。また、接点を増やすことで、顧客からの意見や感想をより取り入れやすくなるというメリットもあります。
質的成果を重視する
短期的なミーハー層のファンを増やすよりも、長期的に応援してくれるコアなファンを作ることを意識しましょう。短期的な戦略だとファンはできてもすぐに飽きて離脱してしまう可能性があり、新たなファンを作るためにさらにコストがかかってしまう恐れがあります。そのため、長期的な目線でマーケティング戦略を練り、ファンを飽きさせないようなイベントや特典といった仕掛けを定期的に設けてみるとよいでしょう。
プロの企業と連携する
ファンマーケティングは中長期的な戦略のもとで行わなければならず、さらにその効果を明確な数値で判断しにくいため、比較的難易度が高いマーケティング手法です。リソースを効率よく使い、客観的な視点を取り入れながら運用していくために、ファンマーケティングに精通したプロの企業と連携しながら実践すると成功率が上がるでしょう。
ファンマーケティングの成功事例
最後に、ファンマーケティングの事例について紹介します。
- イベント交流でファンを獲得したヤッホーブルーイング
- アンバサダー任命でファンを大事にするワークマン
イベント交流でファンを獲得したヤッホーブルーイング
ビール製造会社であるヤッホーブルーイングは、ビール業界で不調が続いているにもかかわらず、新たなクラフトビールブームを巻き起こしたことで有名な企業です。対面型やオンラインで社員やファン同士で交流できる大規模イベント「超宴」を企画し、予約困難になるほどの人気を集め、コアなファンの獲得に成功しています。また、ファンが新たに知人をイベントに巻き込むことも多く、イベントを通して新たなファン獲得にもつながっているのです。
アンバサダー任命でファンを大事にするワークマン
作業着専門店で、働く人のためのコンビニエンスストアであるワークマン。ワークマンではファンのなかでも特に熱狂的なファンをアンバサダーに任命し、そのアンバサダーに商品を自由にPRしてもらったり、商品を共同で開発したりする制度があります。企業だけではなく、熱狂的なファンが自らの意見を交えてPRすることで、信頼度が高まり、新たなファン育成につながっているのです。また、アンバサダーは自身のSNSアカウントの広告費で収入を得ており、ワークマンからは報酬を一切もらっていないことも信頼度の高さにつながっています。
ファン育成でお悩みなら株式会社ファン・マーケティングにお任せ!
ここまで、ファンマーケティングが注目されている背景やメリット、成功させるためのポイントなどを解説しました。ファンマーケティングにはさまざまな大きなメリットがあり、これから中長期的に安定した売り上げ基盤を確保するのに効果的な手法です。
株式会社ファン・マーケティングでは、戦略の策定、集客、デザイン、運用まで一貫してファンの育成をサポートしています。まずは企業が目指す理想や考えをヒアリングし、その魅力を最大限に引き出すマーケティング方法をご提案していきます。また、これまで培ってきたノウハウから、ユーザーコミュニティ、診断コンテンツ、イベント企画などさまざまな施策に対応可能です。まずはご相談してみてはいかがでしょうか?